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レースフラワー、トルコキキョウ

女郎花、レースフラワー、トルコキキョウ ②.JPG
 
 今週の花のご紹介が遅くなりました。
 ここしばらく吾亦紅だの女郎花といった和の花が続いたので、洋物の花が欲しくなりました。その結果が、ぱらぱらごま粒のような花が散りだした吾亦紅を除き、クリーム色のトルコキキョウとレースフラワーを加えたもの。あとは先週と同じく、奥にドラセナ、バイカウツギ、赤く着色された雪柳、女郎花、ヘデラです。
 ただ、レースフラワーの花粉(?)が零れ出してきました。明日はまだ大丈夫と思いますが、この写真の後夜水を変えたとき、雪柳の葉も散りだすと早いので、女郎花とともに処分。これで和花もなくなり、色もグリーンと白だけに。いつも水を変えるたびに少しずつ足したり引いたりしていますが、洋花だけになって、だいぶ印象が変わりました。
 ところで、明日はもう10月です。しかし、公園のトチノキの黄葉がいま色鮮やかなのを見ると、10月というより11月の気分。肌で感じる寒さはそれほどでもなく、金木犀の香りからも10月に入る気分もあるのですが、黄葉のせいで暦の感覚が狂いそうです。
 黄葉なんてウソ、という方のために、写真を撮っておきます。乞うご期待!


茶色 ジノリのお皿 29日夜.JPG

予告・・・ドイツの秋のティータイムセット

ピンク りんご、花、紅茶、ミント.JPG
 
 先日予告した、ドイツの秋のお菓子と紅茶をセットにした「ドイツの秋のティータイムセット」の内容が決まりました。

 ご注文は、10/5~11/8までの受付。
 価格は、¥3,440(税込)のところ¥2,940(税込)です。
 内容は、定番のケーゼクーヒェン1個(お取り寄せ用レギュラーサイズ)とバナナチョコチップマフィン2個。さらに、りんごのお菓子のミニサイズ2種それぞれ2個と詳しい淹れ方の説明をつけた紅茶ディンブラ。ちょうど、どんなお菓子にもおすすめの紅茶、ディンブラの小パック(40g,¥500)分がサービスになっています。
 ドイツのおばあちゃんの味のチーズケーキって?という方、おすすめのディンブラとともに、ぜひ、お試しにご利用くださいませ。なお、お菓子と茶葉以外の小物はセットに含みません。
 
 「モミの木」のお菓子はどれも、見た目の大きさよりも食べ応えのあるものです。決して重い、甘すぎるというわけではありませんが、例えば、りんごのお菓子などのKuchenの生地は、卵と砂糖・粉が主のスポンジ生地ではなく、バターやアーモンドプードルを使用した生地。ふわふわタイプではありませんが、しっとり、こうばしい生地です。そのため、あまり大きなサイズでなくても充分満足していただけると思います。
 
 きょうは、HP用に画像の候補を並べて検討したかったので、同じお菓子が何度も写真となって登場しました。中身はみな一緒。紅茶などテーブルコーディネートのみ変更しました。もっとも、お天気のよかった月曜日中に写真を撮れていたら、クロスの色を構わなくてもよかったのですが・・・。
 夜、待ちに待っていた紅玉(こうぎょく)が届いたので、写真に入れました。いままでりんごのお菓子はつがるで作っていましたが、これからは紅玉です!
 たまたま実家が山形のりんご農家という男性に聞いたのですが、そこでは「べにだまなんて、そのまんま、捨ててる」そうです。あぁ、もったいな!「何でも売れ筋一辺倒」や「次から次へと新品種」というのも困ります。「古くてもいいものをずっと」を望みます(まさしく、ドイツ的な消費態度ですが)。

 夜半からの激しい雨が日の暮れるころ止んで、西の空には二日月。お月さまと金木犀が買い物の楽しみです。

ピンク 花と紅茶(ミントなし).JPG

茶色のみ ミルクティー.JPG

茶色のみ ティーセット.JPG

茶色 マットとミルクティー 小.JPG

ホウズキいろのカツラの葉u.木犀の句

ホウズキいろのカツラの葉.JPG
 
 きょうは秋晴れの雲ひとつないお天気。
 うかうかしているとカツラの葉がなくなると、久しぶりに目の前の西側の公園を歩きました。
 
 実は、7月の下旬に、この谷間公園にクマが出没と区の広報車が注意を呼びかけていたことがありました。どこだろうと思っていると、何と「モミの木」から50~60メートル行った公園の北西の角に、クマ出没につき注意の真新しい札が立っていました。ふと下を見ると、大きさも色もクマのような黒っぽい茶褐色の岩が置かれている場所。もしかしたら、この岩がクマのように見えたのでは、と思いますが、ほんとうかもしれませんし・・・。何しろ今年はクマの当たり年。
 谷間公園いちめん芒の景は、もう少しすると黄葉や紅葉とともにとても美しいのですが、もしクマがいた場合見通しが悪く危険なためか、一部を残して芒も刈られてしまいました。おかげで、安心して散歩を楽しめましたが…。

 写真は、ホウズキのようにほのあかく染まったカツラの葉です。この枝は垂(しだ)れているわけではなく、撮りやすくするため少し手元に引き寄せたものです。ふつうカツラは黄葉するものと思っていましたが、1本の木でも黄色いところとこんなふうに紅葉しているところとがありました。先週の朝庭に出ると、公園のカツラのカラメルのような、しょうゆを少し焦がして塩気を除いたような甘い匂いが漂っていましたが、きょうはもうその香りはありませんでした。

 かわって、家の中にもよそのお宅の金木犀の香りが漂ってきます。金木犀の香りもクチナシや沈丁花とともに大好きなですが、金木犀は庭には植えず、ちゃっかり、よそのお宅の香りを楽しませてもらっています。(でも、近くに沈丁花はないようなので、ぜひ植えたいと思っています。)

 それにしても、金木犀の香りには幸福感があります。
 先日紹介した『鷹』の吉沼等外さんの句、「木犀や木臼(きうす)の中に猫仔猫」でも、木犀という季語がよく効いていると思います。確かに、使われなくなった臼の中で親猫とともに仔猫が重なり合って眠っているのはそれだけで充分に微笑ましい図ですが、木犀という季語によって、その芳香のほかに、秋のさわやかさと日溜りの暖かさ、さらには干布団のような日向くささまで連想され、眠っている猫の図とともに、いっそう幸福感が増したというか、思い浮かべるたび頬が緩むような一コマになったと思います。
 例えば、臼が庭の片隅に置きっぱなしになっているような田舎の家を想像して、庭にありそうな秋の花を想像してみます。花は猫が日向で眠りたくなるような時期のものでは、金木犀のほかは、コスモス、鶏頭、葉鶏頭、萩の花。つまり、いまぐらいの時期となるとあまり庭に花がありません。そのなかで、どれが気持ちよさそうに眠っている猫の親子にふさわしく、かついっそうその幸福感を表現できる季語か…?と考えると、私は木犀がいちばんと思います。それに、臼が使わないにしてもあるような家には、大きな木も多く、庭も昔ながらの木を主体とした庭のほうが考えやすいと思います。また、古くからの庭では、モッコク、モチノキ、モクセイの常緑樹が「庭木の御三家」だったそうです。
 季語の木犀からその芳香以外に秋の日溜りや空、臼という言葉から、句には説明もされていないのに、言い当てているかどうかは別として、家や庭まで情景が浮かびました。俳句は17文字なのに、的確な表現によって、読み手に上手く想像させるのです。
 
 蛇足ですが、木犀の「木」と木臼の「木」、「猫」と仔猫の「猫」。17文字の中に、同じ文字が2度ずつ現れて、響きだけでなく、見た目にもシンプルで、楽しいリズムがあります。
 みなさんは、いかがでしょうか?
 8月に紹介した井上すず子さんの「あつまって水は水色あきざくら」。この句をすぐ覚えたと思ったら実際にそんな景を目にした、という嬉しいお声もいただきました。この句の覚え易さにも、やはり、「あ」や「み」、「水」といった響き、字面両方のリフレイン、リズムが効いていると思います。リズムがいいとそれだけで、句も楽しくなります。
 等外さんの木犀の句はいかがでしょうか?
 
 ドイツのお菓子の紅茶店としてはまったく関係のないような話題ですが、花のような身近な季語の句を知っていると、ふっと思い出したときにとても楽しくなるものです。ぜひ多くの方に、と、楽しい句のお裾分けのつもりです。
 臼の中に猫というのはなかなか出会うチャンスがありませんが、木犀の香りにぶつかったら思い出してみてください。きっと、頬が緩んでしまうと思います。

予告・・・ドイツの秋のティータイムセット

ドイツの秋のティータイムセット モミの木の皿.JPG
 
 予告です!
 10月5日(木)~11月8日(水)の期間限定で、「ドイツの秋のティータイムセット」の販売をいたします。
 
 おいしい、ドイツのりんごのお菓子をぜひ!と思い、定番のドイツのおばあちゃんの味のケーゼクーヒェン(レギュラーサイズ)のほかに、りんごのKuchen、さらにはおやつにうれしい、珈琲にもおすすめのバナナチョコチップマフィン、どんなお菓子とも相性のよい紅茶ディンブラの小パック40g入り¥500(税込)をセットにしたものです。
 りんごのお菓子は、ケーゼクーヒェンとともにドイツではとても人気のお菓子。実際、秋になると、この2つがお茶の時間に登場ということもよくあるのです。
 ただ、ドイツではりんごのお菓子のレシピが多くて、どれにしようか、ただいま思案中です。

 どうも、ホールのお菓子を切るという機会が、日本の家庭では、お菓子作りが趣味の方を除けばあまりないようです。パンを切る習慣があって、パン用のナイフを持っていれば問題もないのでしょうが、あまり経験のないことは面倒、お菓子も切ったことがない、お菓子はカットされているもののほうが嬉しいという方が多いようです。(かく言う私も、「モミの木」を始めるまえは、お菓子は作っても家で食べるだけでしたので、あまり切り方にこだわったこともありませんでした。ただ自分の食べたい大きさにカットするのみ、食べたいだけご飯をよそうのと同じでした。だれかに出す場合も、知らない間柄ではないので、「ごめんなさいね~、ちょっと美しくないけど」で済ませていたほど。そのせいで、いまも切るのは苦手です。)

 というわけで、本来大きな型で焼くお菓子を小さなマーガレット型に焼いたものにする予定です。
 お菓子には、型の大小は関係のないものもありますが、大きい型で焼いたほうがおいしいものもあるように思います。(例えば、カレーやシチューをたくさん作ったほうがおいしいのと同じです。) 
 そのため、どんなお菓子にするかは、どうしても小さな型に合うものにしぼられます。ほんとうは、先日ご紹介した、いちばんシンプルなりんごのKuchenにしたいのですが、最低でも12cm の型でないと無理のようです。
 写真は、りんごの甘酸っぱさを生かした紅茶向けのものと、バターソテーしたりんごのほか、ラムレーズン、シナモン、くるみを入れて食べごたえを出し、珈琲にも合うようにしたものです。

 ドイツのお菓子と紅茶で、身も心もほわほわっと温まる。そんなセットにしたいと思っています。
 最終的にどんなものになるかはお楽しみ。 
 どうぞ、乞うご期待!です。
 

金木犀、女郎花(オミナエシ)

女郎花②.JPG
 
 すっかり日が短くなりました。6時ともなるととっぷり暮れてしまうので、その前に北側の街路樹のプラタナスが落した葉を片付けたり、鉢に水をやったりと庭仕事をしています。つまり、閉店後では間に合わなくなってきたのです。(幸か不幸か平日の夕方5時すぎにいらっしゃる方はごく限られているので、このようなことができるのです。もっとも、17:30ラストオーダーなので、17:30終了ということもあります。)

 それにきょうは大事な仕事がありました。私はクチナシが好きで、庭に9本植えてあるのですが、先日お客さまがクチナシの葉にまるまる太った青虫(オオスカシバの幼虫)が付いているのを見つけてくださって以来、その青虫と闘っているのです。もう、何匹見つけては、落葉でつかみ取り、プラタナスの根本に移動させたことでしょう!もう大丈夫と思っていたのに、今朝も1匹、夕方も2匹捕獲しました。うっかりして、半分ほど丸坊主にされてしまったものもあります。春先は気をつけていたのですが・・・。
 そんなわけで、私は蝶を見ると、以前は暢気に喜んでいたのですが、最近では、うちで卵は産まないで!、と念じてしまいます。

 ところで、今年はじめての金木犀の香に出会いました。買い物の帰り道、自転車を漕ぐたびその匂いに近づいたのですが、また離れてしまい・・・。結局、木の場所はどこか別の通りのようでした。

 金木犀の薫るころになると、秋も3分の1が終わり、もう夏の名残も見当たらなくなります。くだものもりんごの季節になりますが、今週は、暖かいはおりものが恋しかった先週よりもお天気に恵まれたので、花は黄色の女郎花(オミナエシ)と赤く着色された雪柳の枝を主役にしました。ほかには、吾亦紅、バイカウツギの枝、奥に縁取りが赤いドラセナです。

 女郎花も俳句の季語で、秋の七草の一つです。名前のわりに背丈があり、芒くらいのものもあります。ちなみに、秋の七草はほかに、萩、尾花、葛の花、撫子、藤袴(フジバカマ)、桔梗ですが、いまの眼から見ると地味な感は否めません。
 
 そのせいか、女郎花の句も好きな句が浮かばないので、かわりに金木犀の句を挙げておきます。『鷹』の大ベテランの吉沼等外さんの句です。等外さんは確か80代の方ですが、句のなかにおおらかさとあたたかな視点とがあって、私はいつも等外さんの句が楽しみでした(表現が過去形なのは、単に私が俳句を作る時間がなくなってしまい、『鷹』を読む機会をなくしてしまったためです)。

 木犀や木臼(きうす)の中に猫仔猫 (『鷹』2004年1月号)

 木犀が薫る日溜り。田舎の家の庭の片隅に、使われなくなった臼が日晒しになっている。珍しいと思って臼をのぞくと、中には親猫と仔猫。みんなまるくなり、寄り重なって眠っている。
 読んでいる私も、思わず仔猫の咽を指で撫でたくなってしまう、秋のしあわせな一瞬の一齣です。
 
 ながく木犀の香が楽しめますように。

台風のお見舞いu.りんごのKuchen

りんごのKuchenとミルクティー②.JPG

 今夜は、雨で途絶えていた虫の音が久しぶりに戻りました。
 
 台風13号の影響でこちらも雨は随分降りましたが、被害に遭われたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。特に、今年は梅雨が長引いて日照不足のうえ、収穫目前の台風による被害で農家の方々はご苦労が絶えないと思います。本当にお見舞い申し上げます。
 
 個人的には、いつもなら並んでいる「青森」のプルーンをまだ見かけないので、心配しています。
 本来ならば、プルーンのKuchenやジャムを作った後にりんごのお菓子を作り始めるのですが、今年はりんごのほうが先になりました。紅玉はまだですが、よく色づいた「つがる」で、りんごのお菓子がいろいろあるドイツでもいちばんオーソドックスなKuchenを作りました。つがるは風味・酸味の点で少し物足りないので、アプリコットのソースをかけています。

 ところで、お取り寄せのくちコミ情報サイトの「おとりよせネット」さんには、ケーゼクーヒェンをご紹介いただいていますが、実は私がいちばん召し上がっていただきたいのは、りんごのお菓子のほうなのです。(もちろんケーゼクーヒェンも大好きなので、よそのお菓子屋さんではチーズケーキは買わないほどです。)
 というのも、チーズケーキはどこのお店に行ってもあるうえ、それぞれのご贔屓がありますが、ドイツ人なら絶対秋になれば口にするりんごのKuchenがほかでは滅多にお目にかかれないからです。単に私が紅玉好きなせいもありますが、りんごの美味しさが生地に生きているKuchenなのです。
 そこで、いろいろな方にドイツのりんごのKuchenを試していただければ・・・と、りんごのKuchenをお求めやすく、かつ食べやすい1人分サイズにしたものをご提供できればと考えています。

 しかし、ドイツでは、お菓子は直径26~28cmの焼型や天板で焼くのがふつうで、写真のお店でお出ししているサイズは21cmの型で焼いたものです。
 先日の「ケーゼクーヒェンについいて」の稿で触れたとおり、ドイツでは家事をしながらお菓子を焼くことが多々あります。そうなると、面倒な作業や細かい仕事は避けたいもの。小さなお菓子のレシピもありますが、焼く前に均等に小分けするより、大きく焼いて後から切り分けたほうが、だんぜん速くラクなので、小さなものはあまり作らないと思います。ちなみに、大きく焼いて大きくカットしたKuchenは、ひとり2切れはいただきます。
 
 また、ドイツでは、お茶などに招かれたときはその家の主婦がお菓子を用意します。そのため、手土産にお菓子は控えるべきものですが、こちらでは意外と贈り物のご要望がありますので、それにお答えできるよう、検討しています。
 遅ればせながら、お菓子のサイズ以外にも、用途も日本化せねばと気がついたところです。
 どうぞ、乞うご期待!


フェリカと吾亦紅

フェリカと吾亦紅.JPG
 
 きのうは久しぶりに秋晴れに恵まれましたが、きょうはまた曇りのち雨。静岡と東京が基準の体には、いくら晴れていてもきのうは10月の中頃のようなお天気。それが夜8時すぎに荷物の集荷に来てもらったときはびっくりするほど冷えていました!何度くらいとも言えませんが、俳句で言うと、「身に沁む」という季語のよう。きょうも肌寒い一日でした。

 あと一日で定休日になりますが、「モミの木」の今週の花は、思わず暖かそうな花になりました。
 手前から、ゴールデンレトリバーのような色の「フェリカ」、リューカデンドロン、吾亦紅(ワレモコウ)、いちばん奥の赤いのがドラセナです。葉物は、それぞれ庭で剪定したバイカウツギ、ヘデラです。
 
 フェリカは、2週間ほど前にも花屋さんで見かけて見送ったのですが、今週は暖かそうな色合いと、モヘアのセーターのような質感に迷わず手が延びました。個人的に言えば、色も、花びら(?)が毛糸のようにふわふわなところも、更に花のかたちまでも、静岡の実家に預けているゴールデンレトリバーを思い浮かべてしまいます。あるいは、犬を飼っていなければ、ライオンのような印象を受けるかもしれませんが・・・?
 
 吾亦紅は、茎の先に一つずつ、臙脂色の小さな花が卵形にあつまったもの。俳句では、名前のためか人気がある季語ですが、栽培物は別として、本来は秋に高原の草地や山の麓に自生するものです。
 吾亦紅の句を探してみると、「我も乞う」と連想される名前から付けたような句が多いのですが、亡くなった『鷹』の藤田湘子(しょうし)先生の句がありました。紹介するのは、例えば信州などの山麓のどこかに自生しているような吾亦紅です。

 どの雲の落し子ならむ吾亦紅 (『鷹』2003年10月号)

 この句では山とは一言も触れてはいませんが、吾亦紅の自生する場所と時期から、私には秋天に恵まれた山並みが思い浮かんできます。深く青い空には、一片の小さな雲のみ。あぁ、あの雲はどこから来たんだろう。どこか親雲のようなもう少し大きいのもいるはずだが・・・。山々の紅葉には少し早いものの、麓に立っている目の前には、秋の草々。なかでも、丈のある臙脂色の吾亦紅が目を惹く。きりぎりすなどの虫の音、少しひんやりした空気・・・。
 こんな景色を詠われたら、読んだほうも、「あぁ~、気持ちがいい!」と思いませんか?作者の湘子先生御自身もそんなお気持ちだったからこそ、雲にも、「お前さん、どっから来たんだい?」と呼びかけるような存門の境地だったのでしょう。
 ついでながら、昼の虫の声が想像できるのも、「吾亦紅」という季語のイメージの喚起力のおかげです。

 きょうは、これを書きながら、湘子先生とお話するような気持ちになりました。
 もしかしたら、近所を歩けば、吾亦紅も見つかるかもしれません。晴れたら、久しぶりに散歩がしたくなりました。お天気を願って・・・。

ueber Kaesekuchen チーズケーキについて

プレゼント用・アップ.JPG

 Kaesekuchenケーゼクーヒェン(チーズケーキ)をご注文のお客さまから、ときどき、誕生日などの贈り物としてご注文をいただき、今日もそのようなものを発送いたしました。

 私としては、というよりドイツでは、Kuchenは、あちこちで説明していますように、ふだんのお茶に家で焼いて食べるお菓子。飾りも何もない、主婦が家事の合間に作るもの。例えば、朝食の片付が終わった後、「さ、さっと」作ってオーブンに入れ、洗濯機を回したり、掃除機をかけたりしている間に焼いてしまうもの。お菓子が冷めて、味が落ち着いた頃に午後のお茶の時間となるのです。
 そんな簡単な、しかし毎日食べても飽きないのがKuchenです(実際私も毎日食べています)が、主婦にしてみれば、お菓子作りは家事の一部と言えるかもしれません。趣味ではなく家事ともなれば、効率重視。毎日毎日凝った、お菓子屋さんのようなTorteトルテ(デコレーションケーキ)などは無理です。もっとも、ふだんKuchenを作る時間やその気がない人も当然いますが。

 しかし、家族の誕生日ともなれば、生クリームやくだものでデコレーションしたTorteトルテを作ります。どんなトルテかは、誕生日を迎えた当人の好きなものに決まりますが、だいたい少なくとも2~3種類は用意されるようです。といっても、当然食卓の準備もあるので、数種類のトルテの用意は大変なうえ、食べる側も全部トルテよりもあっさりしたクーヒェンがある方が嬉しいかもしれません。そのため、主役のトルテにひかえのクーヒェンが混じる、その一つにケーゼクーヒェン(チーズケーキ)が登場ということもありますが、あくまでもケーゼクーヒェンは誕生日のお祝いでは脇役のような位置づけなのです。
 実際、私がいちばんおいしかった!と思っているケーゼクーヒェンも、離れて暮らしているおばあちゃんの誕生日にいただいたものです。もちろんおばあちゃんのお手製で、主役のトルテがあったはずなのに、忘れられないのはケーゼクーヒェンの方。以来チーズケーキといえば、おばあちゃんのケーゼクーヒェンになってしまいました。

 そんなわけで、誕生日にクーヒェンは例外、脇役と思っていたので、クーヒェンを贈り物にすることも考えていませんでした。
 また、「モミの木」のお菓子はすべてクーヒェンなので、贈り物用の化粧箱も用意していません。
 おまけに、なるべく環境に負荷を与えないよう、簡易包装にしています。(それでも、紙パッキンのようなゴミが生じます。引越の予定がある方は梱包に使ってください!)

 その結果、贈り物という方には、写真のような「くるくるリボン」をかけています。特にお誕生日ということであれば、みなさまにお渡ししているごあいさつの書面にドイツ語でお祝いの一文を入れるようにしています。ご注文の際、「通信欄」にご記入ください。

 なお、チーズケーキお買い上げの場合には、「モミの木」のお客さまにお出ししている、茶葉ディンブラの1回分(ポット350cc分=ティーカップ2.5杯分=マグカップ2杯分)をお付けしています。これは、「モミの木」のケーゼクーヒェンは、小麦粉を一切使っていないこととレモンをきかせているため、紅茶には非常に相性はいいものの、珈琲には合わないためです。「おいしい!紅茶の淹れ方」の説明も入れますので、参考になさってください。

 最後に、Kuchenの発音およびカタカナ表記について詳しくは、〈「ヒェン」か「ヘン」か?Kuchenのカタカナ表記について〉の稿をご覧くださいませ。日本語の「変」にならぬよう、咽の奥から息を吐きつつ発音することがポイントです。「クーヘン」に近い発音ですが、このように表記すると日本語の「変」と同じ発音になることが多々あるため、それを避ける目的です。また、日本語の「へ」とは少し違うということを意識していただければ、と思います。蛇足でした。

昨日の臨時休業のお詫び

 昨日は、勝手ながら、臨時休業をさせていただきました。雨のなか足を運んでくださったお客さまには、大変申しわけありませんでした。

 よく自営業者は風邪も引けないと言いますが、たまに、頭痛のためお休みさせていただくことがあります。
 頭痛持ちなので、痛みが来そうなときはなるべく早く薬を飲むようにしていますが、昨日は頭痛薬による胃の痛みでどうしてもおなかに力が入らず、お菓子を作る気力が出ませんでした。幸い、水曜日は開店直後の数ヶ月間は定休日だったためか、お客さまがもともと少ないうえに雨だったこともあり、木曜・金曜のネットのお客さまの分の製作・発送に備え、お休みをいただくことにしました。
 昨日休ませていただいたおかげで、きょう一日頑張ることができました。

 もし、わざわざ遠くからお越しになる場合は、万一ということもありますので、お電話で確認なさってください。
 臨時休業は、お客さまに迷惑なばかりでなく、休む私も、学校をずる休みしているような後ろめたさがあって好きではありません。そのようなことがないように心がけます。

 なお、営業している場合も、最近は看板を出していません。寄せ植えの鉢をのせた椅子が目印です。

葡萄

 秋雨前線の影響か、きょうも曇りのち雨。肌寒い一日でした。
 
 もう9月も10日を過ぎてしまったのでないと思いますが、今年は西瓜を食べる機会がありませんでした。梅雨明けが遅かったことや、一旦梅雨が明けたものの、お盆休みも天気に恵まれなかったせいでしょう。買ったところで、せいぜい1/6か1/8カットのものですが、西瓜を食べない夏なんて、縁側で叱られつつも種をとばして食べていた頃には考えられない事態です。

 いまは梨や葡萄が主役。といっても、梨が食べたくなるような、梨で喉を潤したくなるような天気の日もなかなかありません。心していないと梨も終わってしまいますが、きょうはやっと今年はじめての葡萄をいただきました。

 葡萄というと、必ず、中村草田男の句が浮かびます。

 葡萄食ふ一語一語の如くにて

 草田男の句は、高校か中学の国語の教科書に、「万緑の中や吾子(あこ)の歯生え初むる」がありました。当時は、五七五の真ん中が「や」で切れること、わが子を意味する「吾子」という言葉や草田男という名前そのものに親しめず、確か、教科書の俳句の中で好きなものに挙手というときも、クラスの半分か3分の1くらいの手が挙がったにもかかわらず、私は別の句を選びました。といっても、ほかの句や自分が手を挙げた句さえ覚えていないのですから、この句の印象は特別でした。

 さて、掲句では、1粒ずつ葡萄を口にしていく様を「一語一語の如くにて」と比喩をしていますが、この句を読むとすぐ、一言一句、作者草田男が大事に大事に味わうように物を読んでいる姿も浮かんでしまうのです。ふだん物を読むときに一語一語噛みしめるように読んでいないと、一語一語を味わうように葡萄を口にする、などという表現は出てこないでしょう。
 私も物を読まないと生きていけないような人間ですが、食べるのは遅いくせに、本は早食いの性質。定休日はまとめ食いでもするかのように、物を読んでいます。ときどき、もっとゆっくり味わいつつ読みたいとも思うのですが…。
 ところで、草田男の葡萄ですが、私の独断では、巨峰だと思います。句では葡萄の種類は明言されていませんが、一語一語味わうように食べる葡萄といったら、美味さ、大きさ、珍しさから、草田男の時代には巨峰かマスカットが考えられますが、巨峰のほうがマスカットより上のような気がします。それに、マスカットの軽快な黄緑色よりも、巨峰の黒紫のほうが、ニーチェなどを好んだ草田男には似合うように思います。

 きょうの私の葡萄は、種なし巨峰。葡萄の種類もずいぶんふえて、キャンベルやベリーAも好きですが、特に好きなのは「スチューベン」。数年前秋田の乳頭温泉で口にして以来、必ず冬になるとスチューベンを探すのです。木で完熟させた上、専用の冷蔵施設で貯蔵してから出荷されるので、出回るのがほかの葡萄よりも遅いのですが、酸味が少なく、糖度が高いのです。ちょうど柿が出回るころと同じくらいだと思います。

 ちなみにドイツでは、みんながみんなそうかわかりませんが、葡萄は皮ごと食べます。私がドイツの小学校で授業のため滞在したとき、着いたばかりで行ったスーパーの前で、中年の女性が買ったばかりの葡萄を食べていました。それにも驚きましたが、さらに葡萄を皮ごと食べているのにも驚きました。また、ワインクリームトルテという、スポンジ生地の上に白ワインや生クリームなどをゼラチンで固めたものをのせたトルテがありますが、そのなかにも皮付きの葡萄が入っていますし、上にも皮付きのまま飾られています。習慣の違いでしょうか?葡萄を皮ごとというのは、ドイツが初めてでした。

 今年は夏が短く(仙台自体夏がよそより短い土地柄ですが)、夏を楽しむ余裕もありませんでしたが、食の秋も読書の秋もしっかり楽しみたいと思います。葡萄も本も、草田男にならって「一語一語の如くにて」です。

レシピを読む

芒の穂が目立つようになったと思ったら、北側の道路の中央分離帯に植えられているハナミズキの葉が赤くなってきました。お天気がよければ、写真のひとつも・・・というところですが、あいにく曇りのち雨。
確か去年もいまぐらいに紅葉が始まり、9月早々早すぎる、と思っていましたが、まだ朝晩の寒暖の差もあまりない時期の紅葉、案の定、あまり鮮やかでもありません。
 
 何と言っても、紅葉の美しいのはナナカマドです。ほんとうに鮮やかな紅に染まるのです。東京あたりでは、山に行かないと見られない木ですが、札幌ではナナカマドは街路樹としてよく見かけるものです。花は確か6月ごろ地味な小花をつけますが、鑑賞向きではありません。それが、8月になると実がだんだん赤くなって、10月には葉も真っ赤に。葉が落ちてしまった後の実は、冬のあいだ小鳥の大事な餌になりますが、私にとってもその赤い実は楽しみ。目をやると寒さも少しはまぎれるような気がしたものです。
 
 こんなお天気の日は例によってどこにも出かけず、文庫本1冊とドイツのお菓子のレシピ本と過ごしました。
 そろそろりんごの季節ということもあって、全編りんごのお菓子のレシピ本から、新しく挑戦するものを拾い出し。とにかくドイツにはりんごのお菓子が豊富なのです!
  「モミの木」では、定番の3種を順に作り、タルト生地を作る気があるときだけ(お菓子作り以外の作業をしながらだとちょっと時間と心の余裕がほしいのです)アルザス風のタルトを作っていますが、ドイツではどこの家庭でも作るようなものが、みなさんに「こういうのは初めてだけど、おいしいわ~」と言っていただけています。それにはこちらが驚いてしまいますが、りんごというと日本のお菓子屋さんでは、アメリカ風のアップルパイが主流で、タルト・タタンはパティスリーと謳うお店に行かないと拝めないからでしょうか。
 りんごのお菓子がいちばん好きな私とっては、最もドイツらしい、最も家庭の味と言えるお菓子です。
 レシピの量も、庭のりんごを惜し気もなく使うお国柄なので、りんご1.5kgから2kgとあって桁が1つ違います。もっとも、みなさんの胃もサイズが違いますし、青森のりんごを取り寄せている「モミの木」でもそういうわけにもいきませんが・・・。
 早生の「つがる」がおいしくなったら、早速試してみるつもりです。おいしくて、簡単なものは定番にしたいと思っています。

 ところで、先週の日曜の朝日新聞に『柘榴のスープ』の書評を酒井啓子さんが書かれていました。
 『柘榴のスープ』については、以前『ニゲラ』の稿で触れたとおり、イラン革命のさなか亡命した3姉妹がアイルランドの田舎にペルシア料理のカフェを開き、街に根を下ろしていく物語。各章のエピソードにかかわるペルシア料理のレシピもあって、料理やお菓子を想像するのも楽しかったのですが、残念なことに、味の決め手となる香辛料が未知のものばかり。中東問題の専門家の酒井さんは、「料理の芳しい匂いが全編にただよい、たまらない」とのことでした。
 
 ニゲラの種の風味も柘榴のスープの味も知らない私は物語の半分しか楽しめなかったことになりますが、まあ、ペルシア料理の恨みをドイツのお菓子で晴らしたような一日でした。

ドイツの秋のお菓子とベニバナ

ベニバナ.JPG
 
 先日、「かぼちゃやお芋、栗を使ったお菓子はありませんか?」というお問い合わせがありました。

 「モミの木」を始めてから、お菓子に関してはすっかりドイツモードになり、あまりドイツ以外のお菓子を作る時間もありません。せいぜい、レシピを眺めるだけです。そのため、お問い合わせにびっくりと同時に、かぼちゃを使ってお菓子もできる、作ったこともあった、と思い出したくらいです。

  ドイツでは、どういうわけか、お問い合わせの秋の味覚を使ったお菓子は、一般的にはないと思います。もちろんドイツの事情をこうだと言い切れるほど詳しいわけではありませんが、ふつうに暮らしていて口にするものではないと思います。
 お菓子屋さんでも栗のお菓子くらいあってもよさそうなのに、数冊お菓子の本を引っくり返しても名前を見るかぎり見当たりません。そう言えば、少し古い話になりますが、フライブルク在住の環境ジャーナリストの今泉みね子さんも、〈ドイツ、少なくともフライブルクには「モンブラン」はない。〉と書かれていました(『緑のフライブルクで愛を見た』1994年、講談社)。
 その後、栗のお菓子も一般的になったのでしょうか?私は、2003年のアドヴェントの時期以来行っていません。このときはあちこちでりんごのKuchenはいただきましたが、モンブランは大好きなのにモンブランなど思いも寄らなかったのです。
 
 と言うように、ドイツの秋のお菓子と言えば、まず9月のZwetschgen(生のプルーン)のKuchenに始まって、りんごが出回ればいろいろな(!)りんごのKuchenを楽しめます。
 
 日本では、生のプルーンは、梨や葡萄におされてあまり存在感がありませんが、ドイツでは、プルーンの木が庭にあるお宅も結構あるようです。ちょうど、日本でも梅や柿がある家をよく見かけますが、ドイツではプルーンとりんごなのです。
 そのたくさん獲れたプルーンは、お菓子に焼いたり、ジャムやコンポートにします。
 プルーンのシュトロイゼルクーヒェンは、よく食べました。甘酸っぱいプルーンをシュトロイゼルの甘さがほどよく包むのです。また、ホイップした生クリームを添えたコンポートも、学校の給食や住んでいた家のデザートにもよく登場しました。
 実は、「モミの木」にもプルーンの木があって、桜が終わると真っ白い花を見せてくれるのですが、収穫にはまだまだです。私は青森のプルーンが出回るのを待って、お菓子にするほか、皮ごとジャムにしています。地味なプルーンの実の色が、ジャムにすると少しだけ紫がかった美しい赤になるのです!何も言わなければ、何のジャムかわかる人もいないほど。味は、甘酸っぱく、ほんのり梅酒に入っている梅のような風味があります。
 
 写真は、今週の花。メインはベニバナです。いつももっとオレンジ色のものを買うのですが、少し黄みがかった白っぽいものです。最初白のホーローの水差しに生けていたのですが落ち着かず、花瓶を変更。奥のグリーンは、バイカウツギの枝です。

コリウスとヘンリーヅタ

コリウス.JPG
 
 きょうはよく晴れて、月もきれいな夜です。夕食を食べていると、東側のブラインドの隙間にちらりとお月さま。いまはもう真南に来ましたが、月齢12日ごろ。雨のところもあるようですが、降っていなければ外をご覧になってみてください。
 
 このところ、物を読むのに餓えていたので、定休日は一日中読書でしたが、きょうは久しぶりに外出。  先週西側の公園のカツラやトチの木が葉の色が変わり始めていると書きましたが、やはり市内の別の場所でもカツラが黄色くなり始めていました。カツラと言っても、東京あたりではあまり公園などでも見かけませんが、札幌にいたときは道庁(赤レンガ)などの公園に植えられているものや円山(まるやま)などに自生しているのを見かけました。夏も終わりの円山を歩いていると、カラメルのような香ばしい香にぶつかったことがありましたが、黄葉が近づいたカツラの葉の匂いでした。ハート型を平たくしたようなまるい葉です。葉の形ですぐわかります。

 ところで、今年はとうとう百日紅(サルスベリ)が咲きませんでした。もう西側の木槿(ムクゲ)の花も終わってしまったので、いくら待っても今年は無理のようです。去年もらって植えたときには、幼木ながらしっかり咲いてくれたのですが…。
 よくブナの場合には、実が豊作の裏年は凶作と言います。今年がまさに凶作で、ブナの実が凶作の年にはクマが出る、と言う言葉通りに、クマが出没しているらしいのですが(実は家の近くにも出たと区の広報車が注意を呼びかけていたことがありました!)、ブナ以外の木も花つきがよかった年の翌年はあまり咲かないものなのでしようか?
百日紅が咲かないので、ご近所を気をつけて見ていたのですが、夏椿も、去年どこの家でもよく咲いていてびっくりしたのが嘘のように、全く花をつけていませんでした。満開の翌年は花を休む。そういうものかどうか、気をつけていようと思います。

 写真は、コリウスとヘンリーヅタ、ハイビャクシンの寄せ植え。コリウスの葉に似たヘンリーヅタは、秋には真っ赤に紅葉するようです。紅葉したらまたご覧に入れます。乞うご期待!
 

「ヒェン」か「ヘン」か?Kuchenのカタカナ表記について

 9月に入って、芒(ススキ)の穂が目立つようになりました。
 「モミの木」のホームページもワールドカップ直前の6月5日に公開してから、早3ヶ月。その間「おとりよせネット」や「マフィンネット」に紹介していただき、おそらく、ドイツのことにはあまり詳しくないお客さまにもご覧になっていただけていると思います。
 そこで、他のページと重複する部分もありますが、改めて、「モミの木」とドイツのお菓子の説明をさせていただきます。

 「モミの木」は、ドイツの家庭でふだんよく食されている自家製の焼菓子Kuchenのおいしさと、ドイツと言ってもあまりピンとこないお客さまに、私が知っているドイツの家庭の雰囲気とを紹介したい、と始めたお菓子と紅茶の店Teestube「テーシュトゥーベ」です。

 ドイツのお菓子と言うと、本来はウィーンのホテルザッハーのスペシャリテでいまではウィーンならばどこにでもある、チョコレート生地にアプリコットのジャムを塗り全体をチョコレートでコーティングしたSacher-torteザッハートルテや、結婚式のお菓子の定番のようになったBaumkuchenバウムクーヘンが日本ではよく知られていますが、どちらもふだんのドイツのお茶の時間に登場するものではありません。
 また、お菓子屋さんで売られているような、生クリームやくだもの、あるいはチョコレートなどでデコレーションされたお菓子のことを「トルテ」Torteといいますが、これもふだんのお茶のお菓子ではありません。家庭でも家族の誕生日などにはトルテを作りますが、ふだんはもっぱら、手早くできるKuchenなのです。

 ドイツのドイツ人小学校で「日本のくらしや書道やそろばんなどの文化を紹介する」授業をするため、ドイツ人家庭で同じ釜の飯ならぬ同じオーヴンのKuchenを食して感激した私は、誰に頼まれたわけではないのに、より多くの方に「ドイツってビールにソーセージだけじゃないのよ!」、「ドイツのお菓子ってザッハートルテやバウムクーヘンだけじゃないのよ!」と言いたいがために、このサイトまでオープンしてしまったのです。
 このため、「モミの木」で扱うのはすべてKuchen。カタカナ表記はすべて「クーヒェン」としていますが、チーズケーキのKaesekuchenをはじめ、Streuselkuchenなどドイツ語に縁のない方には、実際どう発音するのかという言葉が並んでいると思います。きょうはそのカタカナ表記の話です。

 しばらく前になりますが、Kuchenのカタカナ表記は「クーヒェン」ではなく、「クーヘン」にすべきではというご指摘を受けました。
 実は、この表記のご指摘は覚悟しておりましたので、「クーヒェン」としている理由をお話します。
 理由は二つです。
 ひとつには、Kuchenの〈che〉は日本語の「ヒェ」でもなく、「へ」には近いが、完全に「ヘ」ではないこと。
例えば、ゾーリンゲンの刃物メーカーのHenkelsの〈He〉は、ほとんど日本語の「ヘ」と同じ発音で「ヘンケルス」と表記できます。発音記号を表記できないので、説得力がありませんが、ドイツ語の発音記号もKuchenの〈che〉とHenkelsの〈He〉とは異なるのです。Kuchenの場合は、日本語の「ヘ」のように口先で「ヘ」と言うのではなく、のどの奥から息とともに「ヘ」という音を出すような発音です。 
 であれば、素直に「ヘ」と表記すべきかもしれませんが、「へ」の表記を避けたい理由があるためです。
 むしろ、もうひとつの理由のほうが大きいのですが、おそらく、ドイツ語のKuchenという言葉を直接耳にしたことのない方は、日本語読みで発音なさるということ。カタカナ表記が「クーヘン」ならば、迷わず日本語の「ヘ」と発音なさるでしょう。そうなると致し方のないことですが、「クーヘン」というカタカナ表記が人によっては、「クウヘン」となる場合や、さらに「食うへん」、「食う変」となる場合もあります。私にそのように聞こえるだけならば問題はないのですが、なかには、どうしても「クーヘン」から「食う変」と想像してしまう方がいらっしゃると思うのです。
 もし、私がKuchenを売る立場でなければ、そのままドイツ語読みで、発音表記に悩むこともなかったのですが、購入していただくためには、お客さまに「食う変」と連想されるような表記はできません。
 これが「クーヒェン」としている大きな理由です。これならば、ドイツ語に縁のない方も、日本語の「ヘ」とは少し違うという意識が働き、場合によっては、怪我の功名で、ドイツ語のKuchenの発音にむしろ近くなることもあります。

 要は「食う変」という連想を避けるためですが、知らない外国語を聞いて全く違うことを母国語で想像してしまう。これは、私たちだけでなく外国人の方もあるようです。
 例えば、夏になると一度や二度はどなたも口になさる、国民的人気の飲み物がありますが、それを海外で日本と同じ名前で販売したところ、期待した結果が出なかった、と聞いたことがあります。実は、この話は高3のとき予備校の夏期講習の英語の先生に聞いたのですが、妙に印象に残っていました。
 自分が小さいときから大好きなものが、名前ひとつで売れなかったなんて…と不思議に思っていると、『いくらおいしくても、英語で〈piss〉って言ったら、「おしっこ」だよ。そんなこと考えちゃう名前じゃね…。』
それが理由でした。

 本当にあった話かわかりませんが、この話が忘れられず、私は、Kuchenが「食う変」にならないような表記にしています。購入してもらう立場でなければ、便宜上「クーヘン」でもかまいません。
 なお、Kuchenの〈che〉は、のどの奥から息を吐き出すようにして、「ヘ」と発音します。
 ご指摘後、辞書ではドイツ語の発音記号だけなので、手持ちの資料を調べたところ、ワールドカップのユニフォームのイラストがかわいくて購入していた、テレビのドイツ語会話のテキスト5月号がありました。
 講師の保坂良子先生の説明を要約すると、a/o/u/au+chは「のどの奥を空気でこする感じのわりと強い音」で、「口先が閉じていたり、あまり開いていないと、日本語のハ、フ、ヘ、ホになってしま」うと注意されています。また、あくまで参考として「クーヘン」とカタカナ表記をされているようです。

 いずれにせよ、Kuchenが「食う変」にならぬよう、ひとつひとつ大事に作っています。
 ケーゼクーヒェン(チーズケーキ)については、「おとりよせネット」に召し上がった方のコメントがあります。ドイツのおばあちゃんの味のチーズケーキって?、 という方、http://www.otoriyose.netです。どうぞ、ご参考に。

「マフィンネット」に紹介されました!

マトリカリア(洗面ボール).JPG
 
 ニュースです。
 9月1日アップの小学館の女性誌サイト「Muffin-Net」に当店のケーゼクーヒェン(チーズケーキ)が紹介されました!http://muffin-net.comです。
 特集の「わざわざ取れ寄せたいお取り寄せランキングBest5」に、「おとりよせネット」のデザート部門の5番目として紹介されているのです。
 「マフィンネット」の当店の名前の箇所をクリックしていただくと、「おとりよせネット」の当店の紹介記事に飛び、さらに興味があれば当店のページにつながるようになっています。

 デザート部門ではほかに、近江の和菓子店「たねや」さんの洋菓子部門「クラブ・ハリエ」さんのバウムクーヘンも4位に紹介されています。
 実は、気の張るお使い物には「たねや」さんのお菓子か静岡のお茶と決めている私には、とても光栄なこと。(この家の上棟式には「たねや」さんの紅白まんじゅうをお出ししたかったほどですが、賞味期限の都合で無理とのことでした。)夫も私も「たねや」さんの最中が大好きなのです。最中と言うと、皮が上あごについてしまうのが難点ですが、「たねや」さんの「ふくみ天平」は特に皮が秀逸。ぱりぱり香ばしくて、つぶ餡自体も美味ですが、皮が餡をいっそう引き立てているのです。

 なぜか、自分のところよりも「たねや」さんの話に力が入ってしまいそうなので、このへんで終わりにいたしますが、「たねや」さんのお菓子はお取り寄せでもデパートでも購入可能です。
 
 写真は、「マトリカリアとケイトウ」の写真がわかりづらかったので、マトリカリアとローズマリーの小さなアレンジです。
 

マトリカリアとケイトウ

マトリカリアとケイトウ.JPG

 きょうから学校ですね。9月1日と言えば、実家のある静岡では、始業式の後は避難訓練と決まっていました。みなさまのあたりではいかがでしょうか?
 ここ何年かはあまり騒がれていない地方での地震が続きましたが、去年は7月に東京、8月に仙台で地震がありました。私は7月のときは仙台、8月のときは東京にいて難を逃れましたが、どちらも1週間予定がずれていたらあわや…というところでした。
 といっても、仙台の地震のニュースには、ウェッジウッドも全滅か…と気が気ではありませんでしたが、おかげさまで、2階のFAXが落下した程度ですみ、花瓶もカップも割れ物すべて無事でした。それ以降、小さな地震があっても、FAXが大丈夫か否かで地震の大きさを判断しています。
 
 さて、今週の花ですが、先週のリューカデンドロンとワックスフラワーは持ちがいいので、そこに白のマトリカリアを足しました。ただケイトウの元気がなく、茎を3分の1ほど短くして活け変えることにしたら、少しさみしく、急遽、庭のローズマリーを追加。グリーンはほかに、アップルミント、ヘデラ、アワです。
 私は、何かたりない…となると、庭に直行。ミントやキイチゴ、ローズマリーやバイカウツギなどの枝を剪定をかねて調達します。
 アップルミントはその名のとおり「王林」に似たりんごの香。香が好きで、花材にしているという面もあります。
 ローズマリーは甘い香のなかにしょうがの香がしますが、肉料理にはタイムや月桂樹の香のほうが好きなので、もっぱらアレンジ用。(庭には使いきれないほどタイムもあって、6月ごろ白い小花がきれいですが、どちらかと言えばグランドカバーです。) これは使って気がついたのですが、ローズマリーを入れると花の持ちがよくなります。また、ローズマリー自体持ちもよく、去年のクリスマスのリースにも少し使いました。(あまりローズマリーははっきりしませんが、トップページ下の「特定商取引法に基づく表記」をクリックしていただくと、リースの写真も掲載されています。)
 写真はいつものサイズのものが、きょうは影が出来てしまってはっきりしません。水揚げが悪くてぐったりしていたケイトウも、元気になってくれました。
 少し涼しくなって、花もらくになったと思います。明日あさってまで元気にお迎えできますように…。