クリッペ
昨日クリッペ風に並べた聖母子像の写真を載せたところ、クリッペの質問を受けました。
クリッペKrippeとは、もともと家畜の「飼い葉桶」のことですが、「うまや」でご生誕になられたイエス様のお祝いの情景を立像などで表した物です。
私もプロテスタントの多い北ドイツ・ハノーファーのカトリックの家庭に滞在していたときは知らなかったのですが、クリスマス前のアドヴェントの時期、カトリックの南ドイツに行くと、クリスマスの品々やソーセージの屋台が並ぶクリスマスの市にもクリッペが設置されています。
人だかりから覗くと、一面に敷かれたわらや、イエス様ご生誕のお祝いに、最初に駆けつけた羊飼いに連れてこられた羊の像の毛などがパッと目に飛び込んできます。その羊や羊飼いの視線の先には、みどり子のイエス様を見つめるマリアとヨゼフ。クリッペの屋根の上には、ご生誕を告げるベツレヘムの星、さらにこの星に導かれ贈り物を携えてやって来た、王様あるいは預言者、博士とも考えられている男性が3人。
クリスマスの市のクリッペには、だいたいこのような人々の像が服を着せられて並んでいますが、人物像の大きさや材質もいろいろ。クリスマスの市の等身大程度のものから家庭用の小さなものまで、像も実際に衣服を着たものから木や蝋の彫像まであります。
ちょうど、雛祭りのお雛様にもいろいろな大きさ、いろいろな材質があるのと似ています。
そんなわけで、以前ドイツで買ってあった聖母子像や天使のほか、パン籠を持った少女やセントバーナードまでの並べたわけです。きょうの写真は、イエス様とマリア、ヨゼフの3人の姿のツリー用の飾りに天使のろうそく立てを並べたものです。
ところで、クリッペの前の人だかりの中心は、親子連れ。お母さんが、熱心に小さな子どもに説明をしています。子どもたちも、うまやの粗末なことやその夜の寒さなどに思いを巡らせているようです。クリスマス市(Weihnachtsmarkt ヴァイナハツマルクト)に行ってクリッペを見ようと思ったら、親子連れがたくさんいる場所を探すといいかもしれません。
ただし、聖人崇拝を否定したルターのプロテスタントの多い北ドイツのクリスマス市では、おそらくクリッペは見られないでしょう。
私はミュンヒェンのそれには行ったことがありませんが、間違いなくニュルンベルク、ローテンブルクにはあります。以前、家庭用のクリッペが集められた展示を見たのは、確かバンベルクの博物館でした。
ヴァイナハツマルクトに行くと、あれこれ目移りするばかりか、ソーセージやグリューヴァインの香りに釣られてしまいますが、クリッペの前には、クリッペを見つめる子どもたちの真剣な眼差し。
もしかしたら、ヴァイナハツマルクトの最大の楽しみは、そんな子どもたちの眼差しに出合うことかもしれません。