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アドヴェントのこと

ポピーとリューカデンドロン②.JPG


 早11月も明日で終わり。

 すでに店という店はクリスマスの装飾をしていますが、ドイツでは、クリスマスはサンタクロースがやってくる日、いい子にしていたらサンタさんからプレゼントをもらえる日ではなく、イエス生誕を祝うキリスト教の祝祭日。そのクリスマスを迎えるために物心両面の準備をする期間をアドヴェント(待降節)と言い、クリスマスの4回前の日曜日から始まるよう定められています。そのため、毎年暦によってアドヴェントの期間が変わり、今年は12月2日が最初の日です。

 したがって、「モミの木」でもクリスマスの飾付けは、アドヴェントの第1日曜日の12月2日から。ドイツではクリスマスツリーとして一般的なドイツトウヒの枝が手に入らず、ヒムロ杉のリースも1日の夜作ることにしています。花にヒムロ杉を加えるのも2日からのつもりで、現在ポピーとリューカデンドロン、ドラセナのほかは、グリーンには庭のキイチゴ、アップルミント、ローズマリーを使いました。

 なお、実店舗では、日曜はご予約がなければお休みとさせていただいておりますが、12月のみ2日、9日、16日、23日は通常どおり営業いたします。ただし、「ドイツのお菓子の紅茶店」ですので、ランチにはご面倒ですがご予約をお願いいたします。

 以後クリスマスについてコラムでふれる予定ですが、去年のコラムでもドイツのクリスマスについて記しています。どうぞ、そちらもご覧くださいませ。

落葉

トチノキと萩の落葉とドングリ.JPG

今年の西側の小山の黄葉は鮮やかさにかけ残念に思っていたところ、市内のあちこちの雑木山も赤や黄がほとんどなく茶の一色。仙台駅前の欅並木は黄葉が始まったばかりで、まだあおい葉のものもありました。

 きょうの日中は一時風が強く、落葉が吹き流される音が聞こえたほどです。落葉が舞う音は昼間ならば寒そうに思うだけですが、夜灯りを消した後ともなれば少し不安に思うこともあります。それがホオノキの大きな葉であればなおのことです。 

 朴落葉(ほおおちば)鬼の出歩く音すなり  木村 照子(『鷹』1999年1月号)

 ホオノキは、英語でJapanese Big-leaf Magnolia。その名のとおり、ひときわ大きな葉で乳白色の大きな花を守るかのように咲かせます。葉の大きさは実に大人の男性の足型以上、図鑑によると長さ45cm、幅20cmにもなるそうです。
 山地に分布する木なので、ご存知の方も少ないと思いますが、実は上の写真に写っているのもトチノキとコナラの葉で、トチの葉の上にのっている小さな黄葉がハギです。札幌に住んでいたころは6月、山にかぎらず自然に木が生えているような場所でもその大きな花を目にすることができたのですが、残念ながら仙台では山奥にでも行かないかぎり見られないようです。
 この写真のなかでいちばん大きな葉がトチノキで、これが長さ20cmほどでした。それを考えると、朴の葉がいかに大きいか想像していただけると思います。札幌では近くで葉の大きさを確かめることはかないませんでしたが、一度秋田の乳頭温泉で朴の落葉を手にしたことがあります。そのとき、30cm以上はある葉が飛ぶ、凄まじい風の夜ならば、まわりの山毛欅(ブナ)の落葉も何もかもが風に舞って、それこそ「鬼の出歩く音」のように聞こえると思ったのです。
 作者の木村照子さんは、旭川の方。ホオノキも朴の落葉も身近にあるのでしょう。北海道の平地では例年10月が黄葉と紅葉の時期で、11月中旬に初雪があります。その雪が消えるころ2度めの雪になり、そしてまた消えては雪、というパターンを繰り返し、12月下旬に根雪になります(一度初雪が根雪になってしまったこともありましたが)。ですから、旭川では雪が積もる前の11月の景でしょうか。
 季語である朴落葉を知らないと、なかなか実感がわかないかもしれませんが、下五の「音すなり」という迷いのない断定的な表現にくわえて、中七の「鬼」の「お」、下五の「音」の「お」とたたみかけるように続く頭韻によってリズムに緊張感が生まれ、読む方も思わずうべなう句になったと思います。東京あたりの方には、先日ご紹介した戸塚啓さんの「武蔵野の落葉浄土を乳母車」の句の方が親しみやすいかもしれません。しかし、俳句は17音という制約によって、このような硬質の詩にもなる、それをご紹介したかったのです。

 なお、飛騨高山には、朴葉味噌のほか、朴葉焼という、味噌を塗った朴の葉に飛騨牛などをのせて焼く郷土料理があるそうです。おそらく秋には朴の落葉、初夏には香りのよい朴の花も見られることと思います。

ランチおよびドイツの食事について

ランチ(ハンバーグ)①.JPG


 最近よくランチについてのお問い合わせをいただきます。
 直接電話でお問い合わせされる方には、このコラムが目に触れる機会も少ないかと思いますが、一応写真を撮りましたので、ご紹介しておきます。また、お電話のタイミングによっては、接客中であったり、まさにお菓子を作っている最中であったりで、思うように説明がいかないことも多々。第一お客さまからの電話を長引かせるのも問題ですので、こちらに説明をしておきます。

 「モミの木」は、何度もふれたように、ドイツ語のTeestubeの名のとおり、お茶(紅茶)とお菓子とを楽しんでいただく場所です。
 そもそも「モミの木」を始めたきっかけが、ドイツ人がふだん家で作って食べている、デコレーションのないお菓子Kuchenのおいしさに感動したこと。そのKuchenを日本ではあまり知られていないドイツ人の家庭の雰囲気のなかで、ぜひとも楽しんでもらおうと思ったのです。

 私はドイツ(ハノーファー)のカトリックのドイツ人小学校での授業のためふたつのドイツ人家庭に滞在し、同じものを食べて暮らしていました。その2軒はどちらも学校の先生の家庭でしたが、非常に対照的でした。
 最初に滞在したのは、昔ながらの典型的な、父親が家父長的な家庭で、子は親に意見が言えず、そのため親子の意思疎通もあまりできていないようでした。また、私も娘のようにかわいがってもらいましたが、よくDu musst ~.「~しないといけない」と言われて、少々窮屈な思いをしました。一方、2軒目の家庭は非常に「風通しよく」、親は考えをきちんと説明し、子の意見もしっかりと聞く、考えが違えば納得がいくよう道を見つけていくという、私にとっても非常に居心地のよい家庭でした。
 おもしろいのは、ふたつの家庭の食事も非常に対照的だったことです。
 最初の家庭では食事も、昔ながらのこってりボリュームのあるドイツ料理で、ブラウンソースを使った肉料理にじゃがいも、ザワークラウトや紫キャベツの付け合せが多かったのに対し、2軒目のハイディーとペーターのところでは、最初の家庭のような料理が出てくることはありませんでした。ドイツ料理といっても、ハムのパイ包み焼きやドイツ版ミネストローネともいうべき、小さく切った野菜やソーセージをコンソメで煮込んだアイントプフというスープなど軽めのものです。
 よく、海外で暮らすとごはんや味噌汁がなくてつらいという話や、ドイツのライ麦パンはどうしても好きになれないなどという話を聞きます。もともとごはんよりもパン、魚よりも肉というタイプの私は、ドイツ人と同じものを食べていても和食が恋しくなるということはなく、むしろ脂質の少ないあっさりした和食ではドイツの冬は乗り切れないとさえ思い、ライ麦パンの酸味がチーズやソーセージの味を引き立てることや、その腹持ちのよさには感心しましたが、最初の家庭の重い肉料理と野菜の少ない食事にはまいってしまいました。
 そんなときハイディーの家に移って、重苦しい家庭の雰囲気とブラウンソースの重い肉料理から解放されて、ほっとしたものです。おまけにハイディーは料理上手で、彼女のラザニアやアプフェルシュトゥルーデルは絶品。料理やお菓子だけでなく、食器使いや室内のコーディネートも手本にしたくなるような暮らしでした。
 このハイディーのところで食べたお菓子が日本に帰ってからも忘れられず、自分でも作ってみようとやり始めたのですが、料理は必ずしも懐かしいものではなく、作ってみる気にはならなかったのです。つまり、量と脂質たっぷりのドイツ料理は、東京のような冬も暖かいところに住んでいても食べたくなるような料理ではない、と言えるかもしれません。

 ところで、ドイツ料理というとソーセージやハンバーグのイメージが定着しているかもしれませんが、必ずしも家庭の食卓にのぼるものではありません。
 街の屋台でよく見かける焼いたソーセージは、家庭ではあまり食べないと思います。もちろん個々の家庭の好みがありますので、一概に言えません。また、ドイツは地方色豊かなうえ、カトリックかプロテスタントかで食に対する姿勢も違います。しかし、油で台所が汚れるのを嫌うのは、その違いをこえて、ドイツ人女性に共通していると思います。
 また、ハンバーグも私が滞在した家庭では出されたことはありませんでした。たぶん1人分ずつ作るよりも、大きい塊肉を使って煮込んだり、ローストした方が作るうえでも好まれるのです。実際、家庭では料理も大皿に並べたものを銘々が取るというスタイルで、予め個々の皿に盛って出すということはないようです。

 実のところ、ドイツ滞在中に家庭で食べる機会のなかったハンバーグやビーフストロガノフを出すのは自分でもどうかと思っていますが、比較的作る手間がかからず、苦手な方が少ない料理ということで、定番にしています。
 付け合せは、ドイツでは主食のじゃがいも料理とゆでたインゲンを溶かしバターであえたものやザワークラウトなどが定番です。じゃがいも料理には、皮付きのまま圧力鍋でゆでただけのものから、私も好きなじゃがいものピューレやポム・フリットなどさまざまありますが、「モミの木」ではパンかごはんをつけるので、じゃがいもは必ずしもつけません。
 なお、写真のにんじんはバターと塩で味付けしたもので、甘いグラッセではありません。ドイツ人は、生のにんじんが大好きで、お昼に持参した生のにんじん1本をナイフで皮をむいてそのままぼりぼりと食べてしまうほど。塩も何もつけずにバナナでも食べるようにまるごと、です。ハイディーは、千切りのにんじんにレモンとコーンを加えたサラダをよく作ってくれましたが、レモンがにんじんの癖を消し、甘みを引き出した一品です。

 写真のセット(メインの料理、パンまたはごはん、サラダ、食後に「甘いもの」と紅茶または珈琲)で、税込1,160円です。「甘いもの」は、夏はアイスクリームやゼリーになることも多く、必ずしもKuchenではありません。Kuchenの場合は、通常パウンドケーキのケーキのことが多く、ケーキセットのものとは別のものです。悪しからず、ご了承くださいませ。
 また、ハンバーグやビーフストロガノフといった簡単なものですが、料理もアイスクリーム以外の「甘いもの」もすべて私1人で作るため、ご予約をお願いしています。何しろレストラン、いわゆるカフェでもないので、お菓子と飲み物以外は用意していないのです。できるだけ、前日の午前中、遅くとも午後までにご連絡をお願いいたします。
 ご面倒ですが、よろしくお願いいたします。

 ドイツの食事ならびに「モミの木」のランチについては、2/5、2/26、3/23のコラムでもふれています。また、ビーフストロガノフは06/11/26に写真があります。そちらもぜひ!

コナラもみじ

コナラ②.JPG


 18日深夜は雪になったところがほかにもあったようですが、昨日の雪はすっかり消えました。

 雑木山は黄葉が始まっていますが、今年は鮮やかさにかけ、赤や黄よりも茶褐色のものばかり。西側の山も含め、このあたりには写真のコナラが多いようですが、どこも今のところあまり美しい色にはなっていません(写真は公園のもの)。
 落葉高木のコナラは、いわゆるどんぐりの木。以前住んでいた千葉の市川には、コナラの林が近くに残されていて、路面にぽろぽろどんぐりが落ちていたものですが、アスファルトもコンクリートもない公園ではなかなか気づかず、今年になってようやく茶褐色になるのがコナラだと気がついたのです。

 ところで、東京で黄葉というと、圧倒的にイチョウとケヤキです。去年、渡部よし子さんの「落葉道しあはせさうな犬ばかり」を紹介したときも、イチョウとケヤキの黄色と茶色の落葉を思い浮かべていましたが、やはりそんな落葉の景を詠った句があります。

 武蔵野の落葉浄土を乳母車  戸塚 啓(『鷹』2000年3月号)

 例えば井の頭公園のような高木の落葉樹がある公園。夏は涼しい木陰を作っていた木々も色づき、黄葉を落とした。公園の道にも日が差して、すっかり明るい。きょうは穏やかな小春日和。その黄葉が散り敷くなかをゆっくりと乳母車を押していく母親。
 そんな姿を見て、作者は思わず心が和んだのでしょう。ひょっとしたら、昔こうして乳母車を押していたころのことを思い出したのかもしれません。そんな作者の心情が、「落葉浄土」という、幸福に満ちた言葉に現れていると思います。ただ乳母車を押しているのが、母親の場合だけでなく、父親や祖父母の場合もあるかもしれません。しかし、ここは作者が使った「落葉浄土」という言葉から、母親を思い描くのがいちばんかと思います。

 18日、東京国際女子マラソンの中継でちらっと見えたイチョウにも、黄葉が始まったものがありました。落葉浄土になるのももうすぐですね。
 

初雪、雪の日サービスについて

初雪07.11.19.JPG


 朝起きると、2階の窓から見える山(ちょうど泉ヶ岳の北側にある山です)が冠雪。西側の、葉が数えるほどになったユリノキにも雪が積もり、アスファルトも数センチですが、白くなっていました!
初雪に雪掻きというのは仙台では珍しく、きょう11月19日は、仙台に来ていちばん早い雪掻きです。
 西側の公園の黄葉はほとんど終わってしまいましたが、雑木山の黄葉はこれから。ただ、去年のような鮮やかな紅葉は望めないかもしれません。

 実店舗ではこのように雪掻きをした日、今年も「雪の日サービス」をいたします。
 例年どおり、カフェ・オ・レやダージリン、ウバ、ヌワラエリヤも単品の場合、飲み物は全品525円(税込)とするほか、今年は、ケーキセットを735円(税込)にするサービスもいたします。ただし、お菓子と飲み物はおまかせとさせていただきます。
 なお、昨年行いましたランチの雪の日サービスは、今年は行いません。また、雪がちらちら舞う程度で雪掻きの必要のない場合は、雪の日サービスにはなりません。あしからず、ご了承くださいませ。 
 

明日は営業

 実店舗では、「日曜および水曜はご予約をいただいた場合のみ営業」とさせていただいておりますが、明日11日および14日水曜は13:00より営業いたします。
 ご予約以外のお客さまもお気軽にどうぞ。

 ただし、ランチはご予約以外はご用意いたしておりません。どうぞ、ご了承くださいませ。

ケイトウとカンガルーポー

ケイトウとカンガルーポー.JPG


 早いもので、明日11月8日は立冬。
 窓の向こうのトウカエデはもう少し紅葉が楽しめるところでしたが、きのうすっかり剪定されて、ほとんど丸刈り状態。まだそれほど寒いわけではありませんが、葉がないと見るだけで寒々しく感じます。
 
 そんなわけで、花は暖かそうな色のものを選びました。赤いケイトウとカンガルーポー、ピンクのワックスフラワーです。

 ケイトウはこのような筆先のようなもののほかに、まさに鶏の鶏冠のような形のものもありますが、こちらは苦手で、こどものころは見るのも厭なほどでした。

 最近はあまり見かけませんが、俳句の場合、鶏冠形の鶏頭でないと句が様にならないようです。
 生けられし鶏頭のなほ静まらぬ   相生垣瓜人
 おとろへてより鶏頭のおそろしき   谷野 予志
 鶏頭の大頭蓋骨枯れにけり     野見山朱鳥 
 歳時記には鶏頭の凄みを詠んだものが並んでいますが、今週生けたケイトウにはそのおそろしさはありません。
 
 火に投げし鶏頭根ごと立ちあがる  大木あまり『火球』

本日営業

朝の2階の窓から07.11.4.JPG


 実店舗の水曜および日曜の営業は事前にご連絡があった場合のみとさせていただいておりますが、本日は13::00より営業いたします。
 ご予約以外のお客さまもお気軽にどうぞ。
 ただし、本日ランチはご用意いたしません。あしからず、ご了承くださいませ。

 写真は、今朝のもの。1週間で、紅いトウカエデの葉は上の部分がかなり落ち、葉の色が黄色から茶に変わったユリノキはだいぶ下の方がさみしくなりました。
 写真には写っていませんが、トウカエデの西側にあるヤエザクラはすっかり葉がなくなりました。