« 2009年01月 | メイン | 2009年03月 »

27日営業のお知らせ

 実店舗は、先月よりご予約のみとさせていただいておりますが、
 27日(金)は、早々にご予約をいただきましたので、
 14:00~16:00の間、営業いたします。
 お時間がありましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ。
 ご来店お待ちいたしております。

薔薇の月曜日と薔薇のお菓子

Rosenkuchen.JPG


 ドイツではきょうがRosenmontagローゼンモーンターク、薔薇の月曜日。
 Aschermittwochアッシャーミットヴォッホ、灰の水曜日(今年は2月25日)から始まる四旬節(荒野で40日間断食をしたイエスさまに倣い、復活祭の前日まで、節制と回心とに努める期間)を前に、盛大に飲み食いするのがカーニヴァルですが、カトリックの地域で山車のパレードがあるのが、だいたいこのRosen-montagです。
 ケルンやマインツなど大規模なパレードが行われる街では見物客でごった返し、仮装パーティーなどもありますが、プロテスタントでは何も行われないようです。私がいたハノーファーもプロテスタントの街だったので、街自体は普段どおり。しかし、カトリックの小学校では子どもも先生もみな仮装して登校し、授業もなし。クイズやゲームで、Faschingファッシング(ハノーファーではKarnevalではなくふつうファッシング)を楽しみました。
 
 このカーニヴァルにちなむお菓子のひとつに、Berlinerベルリーナー(あるいはKrapfenクラップフェン)と言う、なかにジャムが入ったドーナッツがありますが、私にとってベルリーナーは特にカーニヴァルのお菓子でもなく、初めてパン屋さんに行って、知らないものだらけの中、唯一知っているお菓子でした。揚げパンがある!ドイツ人ばかりの中で心細く思っていたところ知っている人に出くわしたような、そんな心強い思いにさせてくれました。
 もっとも、形はあんドーナッツやカレーパンと同じですが、中は当然異なり、アプリコットかラズベリーのジャムです。カーニヴァルの時期に限らず、寒い時期にはどこのパン屋さんにもありますが、1種類しか置いてなくても何のジャムが入っているのか特に書かれていることもありません。アプリコットかラズベリーかは、地域的なものなのか、店による違いなのか、そこまではわかりません。

 Rosenmontagローゼンモーンターク、薔薇の月曜日のきょうは懐かしいベルリーナーとしたかったところですが、油を使うのを避け、Mohnモーン、けしの実のペーストをくるくる巻いたものとシナモンロールとで、Rosenkuchenローゼンクーヒェンを作りました。
 渦巻き状のパンはSchneckeシュネッケ(かたつむり)とも言い、例えばけしの実ペーストを巻いたものはMohnschneckeモーンシュネッケと言いますが、きょうは、丸型にロール状のパンを焼いたものを薔薇のクーヒェンRosenkuchenとも呼ぶことから、ローゼンクーヒェンをモーンで作ったというわけです。実際、薔薇の月曜日と薔薇のクーヒェンはカーニヴァルには全く関係ありません。単なる連想です。

 ところで、けしの実は、餡ぱんのヘソに付いていることがありますが、それ以外日本では馴染みがないかもしれません。ドイツやオーストリアでは、天板に広げたパン生地の上に塗り、さらにシュトロイゼルをふって焼いたり、パウンドケーキに入れたり、溶かしバターとグラニュー糖と混ぜてゲルムクネーデル(パン生地を揚げずに茹でたもの)にかけたり…、とさまざまに使われます。香ばしい風味や形の点でも、胡麻に近いものです。
 シナモンロールは、頑張って25分も捏ねた甲斐があったと言うもの。形は違いますが、元旦に『かもめ食堂』を見て以来の念願がようやく叶いました。
 

お茶のたのしみ

粉雪09.2.16.JPG


 きょうは、朝から風花が舞っていましたが、午後からは雪になりました。
 1月末の横殴りの雪以来です。
 この冬は雪が少なく、有難いものの、雪好きの私としては少々寂しく思っていたところの粉雪です。
 いつも目にしている西側の景ですが、ひとしきりミルクティー片手に眺めてしまいました。
 雪見酒ならぬ雪見紅茶だと思ったとたん、思い出したのが次の句です。

 原宿の雪見紅茶となりにけり  喜納とし子(句集『うちむらさき』収録)

 ある日久しぶりに原宿に出掛けたところ、急に冷え込んできました。体を温めようと、思わずお店に入ってお茶にし、紅茶でやっと人心地がついて外を見れば、雪です。雪が舞い始めました。冷えてきたときはもしかしたらと思ったものの、思いがけない雪に心が浮き立ち、紅茶とともに束の間雪をたのしんだ…。
 そんなことが基になってできた句ではないでしょうか。この句の場合、何と言っても「原宿」という場所が句を華やかにし、浮き立つ気分を際立たせていると思います。
 と言うのも、原宿は、若い世代以外にはあまり縁のない場所です。作者には、まず、何かの集まりか、人と会う約束があったのでしょう。また、原宿となると、銀座に出るときとは少し違ったわくわくする気分もあったと思います。そのうえ、原宿であれば、広い通りを覆うように枝を広げた欅に雪が降り積もっていくのが眺められます。東京の街中で雪見をするのにこれ以上の場所はあまりないかと思います。
 欅と言えば、仙台にも、立派に枝を張った並木の通りが何本かありますが、雪が珍しくない土地では意外性がなく、句にならないばかりか、雪に心躍ることもないでしょう。もっとも、年間の雪日数が沖縄の次に少ない3日(2006年統計)と言う静岡に生まれ育ったせいか、私は、3年の札幌での生活後もまだ雪が嬉しいものですが。

 ところで、春一番が吹いた地方もあるようですが、近畿地方から西では、いちばん冷え込むのは立春過ぎだそうです(日経新聞)。
 どうぞ、寒のもどりにはお気をつけください。

2月第2週の営業予定

 2月第2週の営業のお知らせです。

 当店は月・火が定休日のため、
 ネットショップでは通常水曜日のお届けは行っていませんが、
 11日(水)お届けのご希望を複数いただきましたので、お届けが可能です。ご遠慮なくどうぞ。

 実店舗では、先月よりご予約のみとさせていただきましたが、
 13日(金)および14日(土)は13:00~16:00の間、営業いたします。
 そのほかの水・木・日にご来店ご希望の場合は、あらかじめご連絡(377-6166)くださいませ。
 ご面倒ですが、よろしくお願いいたします。

ハートのチョコレートケーキ

ハートのショコラーデンクーヒェン②.JPG


 先日1月25日・26日のコラムで2月限定の焼菓子詰め合わせを紹介しましたが、そのなかに入っているハート型のショコラーデンクーヒェンのお問い合わせをいただきました。

 ハートのショコラーデンクーヒェンは、ドイツの子どもたちが大好きなチョコレートスプレッドにビターチョコレートとココアパウダーとを加え、なかにラズベリージャムを加えたもの。ラズベリージャムの風味と、いちごより存在感のあるラズベリーの種(食べられます!)のぷちぷちした食感とがアクセントです。
 文字どおりビター・スイートですが、どちらかと言えば大人の味かもしれません。お子さまには、プレーンをおすすめいたします。

 写真のように、4つ並べると四葉のクローバーのように見えます。もし一緒に召し上がるのであれば、お皿に四葉のクローバーを作ると、喜んでもらえるかもしれません。
 さらに、ホイップした生クリームにいちごかくるみをそえたり、ラズベリーやさくらんぼ、あるいはプルーンかいちごなど赤い実のジャムなど垂らすと、視覚の上でも味覚の上でも効果的です(生クリームにいちごをそえた写真は、08年1月20日のコラムに掲載しています)。

 なお、2月限定の詰め合わせは箱入りですが、ショコラーデンクーヒェン単品の場合は箱代が別途かかりますので、ご相談くださいませ。
 2個~4個ずつ透明なopp袋に入れ、「くるくるりぼん」をかけるラッピングでしたら、無料にてサービスいたします(同じく08年1月20日のコラム参照)。通信欄にご希望をお書きください。

 どちらも、珈琲派の方には特におすすめのお菓子です。ぜひ、お試しくださいませ。

山茶花

山茶花09.2.2.JPG


 山茶花(さざんか)の散るにぎわひの中にをり  田村 能章(『鷹』2000年4月号)

 4日はもう立春。遅くなってしまいましたが、その前にぜひ紹介しておきたかった句です。
 と言うのも、山茶花は冬の季語。
 花のない冬、紅い花が次々と咲いては散る山茶花は目にも暖かく、知らず知らずのうちに目が探しているほどですが、私はながいこと山茶花と椿との区別がつかず、子どものころ『さざんか さざんか 咲いた道 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き… 』と歌っていたのに全くどんな花か見当もつきませんでした。

 その山茶花を初めて識ったのが、札幌時代に帰省した12月のこと。
 千歳まで、いちめんの雪原と雪の雑木林だった車窓の景が、モノレールに乗ったとたん、暖かそうな、そして頬張れば美味しい焼藷のような黄色をした銀杏の葉と、つややかな濃緑の葉にびっしり咲いた紅い花とに変わったのです。そのときは、まず「花が咲いている」ことに感動し、ようやくあれが山茶花かもしれないと気がつきました。
 気がついてみれば、その紅い花は道中至るところにあり、根もとのアスファルトには惜し気もなく散った紅い花びら。これまでアスファルトなど美しいと思ったこともありませんでしたが、新幹線の車窓に飛び込んでくる、黒に紅い花が散り重なった様には見蕩れてしまいました。

 考えてみれば、銀杏も山茶花も小学校や高校の通学路で目にしていたもの。これまで当たり前だった初冬の景の有難さに気がついたのも、おそらく、外に花など見られない、根雪の札幌に住んでいたせいでしょうが、札幌から市川に移ってからも山茶花の垣根には目を奪われました。
 山茶花は、咲いている姿だけでなく、花びらが散り重なった様も鮮やかで美しく、目にも暖かなのです。そんな親しみを覚えたところに冒頭の句を知りました。この句の主眼は、やはり、「咲く」にぎわいではなく、「散る」にぎわいを詠ったところでしょう。
 写真の山茶花は、西側の公園の入り口のもの。ちょうど玄関の菱形の窓(1月1日のコラム参照)からも見えますが、この冬は雪が少ないせいか、花つきがいいようです。しかし、散った花びらはあいにく踏まれてしまったものばかり。それでも山茶花を見るたびにこの句が浮かび、この句を思い出すと、山茶花とともに、暖かな冬の日差し、あるいは銀杏の色づいた葉や葉を落とした木々の姿までも浮かんできます。

 なお、山茶花は、もともと九州などの山地に自生しているものは白で、よく見かける紅いものは園芸種だそうです。
 これが椿と似ていて区別がつかなかったのですが、初冬から咲き始める山茶花に対して、椿が花をつけるのは場所にもよりますが春先2月ごろ。しかし、山茶花にもまだ花が残っていると時期だけで判断できないので、花びらが散るものが山茶花、花ごと落ちるのが椿と私は見ています。どちらも季語になっていますが、山茶花は茶の花と同じ冬、椿は木に春と書く漢字と同じく春の季語です。

 ところで、きょうはよそのお宅の庭で、雪の下から顔を出しているクロッカスの芽を見つけました。
 春遠からじ、ですね。